スナップエンドウの育て方|秋まきは小さな苗で冬越し。春は支柱とネットで支える

スナップエンドウの育て方

スナップエンドウは、秋に種をまいて冬を越し、春に収穫する野菜です。大きなポイントは、冬を迎える苗の大きさと、春のつるの支え方です。

この記事では、種まきから冬越し、支柱とネットの張り方、収穫の目安まで、秋まきの手順を順番に解説します。さやえんどう・グリーンピースとの違いも整理します。

👉 秋まきは関東以西の一般的な地域の育て方です。冬を越すのが難しい寒い地域(冷涼地)では、3月ごろに種をまく春まきが一般的です。

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スナップエンドウ栽培|基本情報

項目 目安
種まき適期 10月中旬〜11月上旬(関東以西)
発芽適温 18〜20℃
株間 30cm
冬越しの苗 本葉2〜3枚の小さな苗(草丈10〜15cmほど)
支柱・ネット つるが伸び始める2月ごろ(つるあり品種は高さ2m)
追肥 春先(2〜3月)と、さやがふくらみ始めたころ(目安)
収穫の目安 開花後25日前後(4〜5月ごろ)
連作 3〜5年以上あける

種類の選び方|スナップ・さやえんどう・グリーンピース

ボウルに入ったスナップエンドウのさや

エンドウは、食べる部分で3種類に分かれます。種まきから冬越しまでの育て方は共通で、違うのは収穫のタイミングです。

  • スナップエンドウ:さやと、ふくらんだ豆を食べます。さやが厚く、甘みがあります
  • さやえんどう(きぬさや):若くてやわらかい、平たいさやを食べます
  • グリーンピース(実エンドウ):さやから出した豆を食べます

種袋には、種類ごとの品種が書かれています。グリーンピースは「実エンドウ」の品種を選びます。スナップエンドウの品種とは別です。

品種には、つるが伸びる「つるあり」と、伸びない「つるなし」があります。

  • ✔ 畑・菜園:つるあり(2mほどに伸びて、たくさん収穫できます)
  • ✔ プランター・ベランダ:つるなし(80〜100cmほどです)

土づくりと連作|エンドウを育てた場所は3〜5年以上あける

エンドウは酸性の土を嫌います。まず苦土石灰(1㎡あたり100〜150gが目安)をまいて耕し、そのあと堆肥(1㎡あたり2kgほど)を混ぜます。

畝(作物を植える、土の盛り上がり)は、種まきの2週間ほど前に立てておきます。根は過湿に弱いので、畝は高めにします。

肥料は少なめで大丈夫です。エンドウはマメ科の野菜で、根に住む根粒菌が空気中のチッソを取り込んで、株に分けてくれます。

同じ場所で続けて育てると、病気が出やすくなり、生育が極端に悪くなります(連作障害)。前にエンドウを育てた場所は、3〜5年以上あけます。ソラマメやエダマメなど、同じマメ科の野菜を育てた場所も避けます。

プランターで育てる場合は、新しい培養土に入れ替えます。

種まき|10月中旬〜11月上旬。水に浸さず、1か所に3〜4粒

関東以西では10月中旬〜11月上旬が種まきの目安です。気温の高い年は、苗が育ちすぎないよう、10月末〜11月上旬のやや遅めにまきます。

地域によって適期は前後します。種袋の栽培暦(まき時期の表)で、お住まいの地域を確認します。

  • ✔ 株間30cmで、深さ2cmほどの穴をあける
  • ✔ 1か所に3〜4粒ずつまく
  • ✔ エンドウの種は、水に浸さず、そのまままく
  • ❌ 水に浸してからまく(急に水を吸って種の皮が破れ、発芽が悪くなることがあります)

まいたあとは、たっぷり水をやります。適温なら5日ほどで芽が出ます。気温が低いと日数はかかりますが、よく発芽します。

芽が出て本葉が2枚ほどになったら、生育のよい株を1〜2本残して間引きます。残す株を傷めないよう、間引く株は根元をハサミで切ります。

👉 発芽のころは、鳥に種や芽を食べられやすくなります。不織布をべたがけするか、防鳥テープを張ります。

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👉 鳥害が心配なときは、ポットで育てて植え付ける方法もあります。ポットにまいて約1か月育て、本格的な寒さが来る前の11月中下旬ごろに、根鉢を崩さずに植え付けます。

冬越し|本葉2〜3枚の小さな苗で迎える

エンドウは、本葉(子葉のあとに出る葉)が2〜3枚のころがもっとも寒さに強く、この小さな苗なら−7℃ほどの低温にも耐えられます。大きく育ってから冬を迎えるほうが、寒さで傷みやすくなります。

ほとんどの品種は、冬の寒さに当たることで花の芽ができます。室内に取り込むとひょろひょろの苗になり、収穫量が減ります。冬は屋外のまま、寒さに当てて育てます。

  • ✔ 霜よけに、株の上に笹の枝やわらをかぶせる
  • ✔ 12月下旬までに、畝をまたぐ半円形の細い支柱(トンネル支柱)を立て、不織布や寒冷紗をかける
  • ✔ 冬は風が強いので、飛ばないよう留め具(ハウスバンドなど)で押さえる

👉 冬も、土が乾いたら水やりをします。根は冬でもゆっくり伸びています。与えすぎると根腐れするので、乾いてからで十分です。

👉 大きく育ちすぎたときは、不織布やビニールでトンネルをかけて防寒します。

支柱とネット|つるが伸び始める2月ごろに立てる

つるあり品種は、春に勢いよく伸びて2mほどになります。つるが伸び始める2月ごろに、支柱とネットを用意します。

つるが伸び始めたら(草丈20〜30cmが目安)、高さ2mの支柱を、倒れないようしっかり差し込んで立てます。そこにつるもの用のネットを張り、伸びたつるを、ひもでネットに結びつけて広げます(誘引)。

  • ✔ ネットは、エンドウ用でもキュウリ用でも使えます
  • ✔ つるは重ならないよう、等間隔に広げて誘引する

つるが重なって日当たりが悪くなると、実がつきにくくなります。茎は折れやすいので、やさしく扱います。

つるなし品種(80〜100cm)は、仮支柱を立て、ひもで囲って倒れを防ぎます。

追肥と水やり|肥料は少なめ、開花期は乾かさない

肥料を与えすぎると、葉が茂りすぎて、実のつきが悪くなります。追肥は目安として、次の回数で行います。化成肥料を1㎡あたり30gほど株元にまき、株元に土を寄せます(土寄せ)。

  • スナップエンドウ・グリーンピース:春先(2〜3月)に1回、さやがふくらみ始めたころに、株の勢いを見て1回
  • さやえんどう:収穫が長く続くため、土寄せのころ、開花期、収穫の始めに1回ずつ

花が咲くころに土が乾きすぎると、花が落ちます。乾燥が続くときは水をやります。

収穫のタイミング|スナップエンドウは開花後25日が目安

収穫したさやえんどうを手に取る

収穫は4〜5月ごろです(関東以西)。種類ごとの目安は次のとおりです。

  • さやえんどう:中の豆がふくらみ始めたころ。開花後15日前後です
  • スナップエンドウ:さやが鮮やかな緑色で、断面が丸くなり、豆がふくらんだころ。開花後25日前後です(気温で前後します)
  • グリーンピース:さやにしわが出始めたころ。開花後4〜5週間ほどです

収穫が遅れると、さやが硬くなります。若いうちに、ヘタの上の茎をハサミで切って収穫します。

鮮度が落ちやすいので、収穫したら早めに食べます。

👉 気温が25℃以上になる初夏には、株が弱って枯れ上がります。収穫は初夏までです。

病害虫|アブラムシ・ハモグリバエ・うどんこ病

  • アブラムシ:新芽や茎に群がります。見つけ次第つぶすか、薬で対処します
  • ハモグリバエ(エカキムシ):3〜5月に出やすい害虫です。葉に絵を描いたような白い筋がつきます。幼虫は葉の中にいるので、筋の先端を指でつぶします
  • うどんこ病:葉が白い粉をかぶったようになります。つるが混み合う、日当たりが悪い、乾燥するといった条件で出やすくなります。つるを整理して、風通しをよくします。ベジフルスプレーは殺虫剤なので、この病気には使えません

アブラムシが増えたとき|エンドウに使える薬

エンドウに登録のある薬を使います。効き目を重視したいなら、ベニカベジフルスプレーです。有効成分はクロチアニジンで、豆類(未成熟)のアブラムシ類に登録があり、スナップエンドウ・さやえんどう・グリーンピースに使えます。

メーカーの技術資料では、成分が葉の裏まで浸透し、アブラムシで約1か月効果が続くとされています。原液のまま散布し、さやを収穫する日の3日前までに使い終えます。収穫が続いている時期に散布すると、その後の3日間は収穫できません。使用は3回以内です。

ラベルには、ミツバチ・マルハナバチへの注意が書かれています。花が咲いている時期に散布するときは、ラベルの注意をよく読んでから行います。

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食品にも使われる成分がいい人なら、ベニカマイルドスプレーも使えます。農薬の登録がある薬ですが、有効成分は食品にも使われる還元澱粉糖化物だけです。野菜類のアブラムシ類とうどんこ病に登録があり、収穫前日まで使えます。

効き方が穏やかなタイプなので、見かけ始めのうちに使うほうが向いていると思います。使用回数の指定がないので、様子を見て、必要ならかけ直せます。使い方はラベルに従います。

やりがちなNG行動

  • ❌ 種を水に浸してからまく(種の皮が破れて、発芽が悪くなる)
  • ❌ 早くまいて、大きく育った苗で冬を迎える(寒さで傷みやすい)
  • ❌ 冬に室内へ取り込む(ひょろひょろの苗になり、収穫量が減る)
  • ❌ 肥料を多く与える(葉ばかり茂って、実のつきが悪くなる)
  • ❌ マメ科の野菜を育てた場所にまく(連作障害)
  • ❌ 収穫が遅れる(さやが硬くなる)

よくある質問

Q. プランターでも育てられますか?
A. つるなし品種を選べば育てられます。幅・奥行き・深さが30cm以上の大きめのプランターを使い、鉢底石を入れて水はけをよくします。

Q. 春に種をまいてもいいですか?
A. 関東以西で春にまくと、冬の寒さに当たる期間が短く、花がつきにくくなります。寒い地域(冷涼地)は、冬を越すのが難しいため、3月ごろにまく春まきが一般的です。

Q. ソラマメを育てた場所にまいてもいいですか?
A. ソラマメやエダマメはエンドウと同じマメ科です。同じマメ科の野菜を育てた場所も、エンドウと同じくらいあけるのが目安です。

🌱 まとめ

  • 10月中旬〜11月上旬に、水に浸さず、1か所に3〜4粒まく
  • 本葉2〜3枚の小さな苗で冬を越す。室内には入れず、寒さに当てる
  • 2月ごろから支柱とネットでつるを支える。肥料は少なめにする
  • スナップエンドウは、開花後およそ25日の若いうちに収穫する

👉 同じ秋まきの野菜、ソラマメの育て方はこちら
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参考にした情報

タキイ種苗(野菜栽培マニュアル「エンドウ」、野菜のひろば)…発芽適温、水に浸さないまき方、1か所の粒数、本葉2〜3枚の耐寒性、防寒、支柱とネット、追肥、収穫の目安(開花後の日数)、連作の間隔、ハモグリバエ・うどんこ病
住友化学園芸(KINCHO園芸「エンドウ」)…まき時期、苦土石灰・堆肥の量、土寄せ、防寒と支柱立て、2月の追肥、グリーンピースの収穫
ハイポネックス(スナップエンドウの育て方)…冬越しの草丈、室内で冬越しさせないこと、プランターの大きさ、つるあり・つるなし
農林水産省・FAMIC(農薬の作物名の表)、農薬登録情報…スナップエンドウは「さやえんどう」に含まれること、ベニカベジフルスプレー(第23121号)・ベニカマイルドスプレー(第22160号)の登録
住友化学園芸 ベニカベジフルスプレー技術資料…葉裏への浸透、アブラムシへの効果の持続、ハチへの注意

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