小松菜の育て方|秋まきの時期・防虫ネット・間引きのコツ

小松菜の育て方

小松菜は、気温が高い時期なら1か月足らず、秋まきでも2か月前後で収穫できる、初心者にも育てやすい葉物野菜です。暑さにも寒さにも比較的強く、ほとんどの季節に育てられます。ただし、虫は育ち始めから来るので、防虫ネットが基本の対策です。また、本葉(子葉のあとに出る葉)が2〜3枚の時期の育ちが、収穫までの出来を左右します。

この記事では、土づくりから種まき、間引き、防虫ネットのかけ方、収穫まで、秋まきの手順を順番に解説します。芽が出ない・育たないときは、後半の「育たないときの原因チェック」の表で確認できます。

👉 種まきの時期や日数は、冬の寒さがほどほどの地域を想定した目安です。寒い地域や暖かい地域では、お住まいの地域の種袋の栽培暦で確認します。

👉 プランターで育てるときは、酸度調整ずみの市販の野菜用培養土を使えば、畑で行う苦土石灰などの土づくりは要りません。プランターの人は、次の「土づくり」を飛ばして、そのあとの「プランターで育てるとき」へ進んでください。

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小松菜栽培|基本情報

項目 目安
種まき 秋まきは9〜11月ごろ(11月の晩秋まきは保温する)
発芽 適温(20〜25℃)で2〜3日。低温期は4〜9日ほど
日当たり 日なた
土の酸度 弱酸性〜中性が向く(pH6.0〜6.5前後)
株間 最終的に5cm前後(4〜6cmでも可)
収穫 草丈20〜25cm。まいてから、秋まきは2か月前後(45〜80日)。11月の晩秋まきは60〜100日
連作 アブラナ科(キャベツ・ダイコンなど)を育てた場所は1〜2年あける

土づくり|苦土石灰は種まきの2週間以上前に

土の酸度はpHで表します。7が中性で、数字が小さいほど酸性が強くなります。小松菜は、弱酸性〜中性の土が向いています。目安はpH6.0〜6.5です。向く酸度に近づけるため、苦土石灰(土の酸性を弱める資材)で調整します。

  • ✔ 2週間以上前:苦土石灰(1㎡あたり100〜150g)と、完熟堆肥(十分に発酵させた堆肥。1㎡あたり約2kg)をまき、よく耕す
  • ✔ 1週間前:元肥(種まき前に入れる肥料)を混ぜて耕し、畝(作物を育てる土の盛り上がり)を作る。耕しながら、土の中の虫を見つけたら取り除く(残ると、あとでネットの中で駆除しにくい)

元肥の化成肥料(8-8-8など)は、袋の表示に従います。目安は1㎡あたり80〜150gです。小松菜は栽培期間が短く、元肥だけで育てるのが基本です。

今から土づくりを始めるなら、苦土石灰を入れた2週間後ごろが種まきです(その1週間前に元肥)。1㎡は、たとえば畝幅60cm×長さ約1.7mです。苦土石灰は、園芸店やホームセンターで買えます。

プランターで育てるとき|土づくりの代わりに

プランターは、深さ20cm以上、幅65cmほどの標準サイズがおすすめです。幅40cmほどの小型でも育てられます。底に鉢底石を入れ、市販の野菜用培養土を、フチから2〜4cmほど残して入れます。元肥入りの培養土なら、元肥は要りません。酸度を調整してあるかは、袋の「pH調整済み」などの表示で確認します。

まき溝は、プランターでは3〜5mmほどの浅さにして、2列にし、列の間を10〜15cmあけます。種まきからは、畑と同じ手順です(まき溝が浅い分、かぶせる土も浅く、溝を埋め戻す程度にします)。1列だけ種まきを1週間ずらすと、収穫の時期がずれて、長く楽しめます。日当たりのよい場所に置き、防虫ネットをかけます。発芽後の水やりは、晴れた日の午前中に1回、土の表面が乾いてからにします。

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種まき|9〜11月が目安。深さをそろえて、すぐ防虫ネット

小松菜は、極端な粘土質の土を除き、ほとんどの畑で育ちます。栽培期間が短いので、一斉に発芽させて、生育をそろえることが大切です。

  • ✔ まき溝は深さ1cmほどで、底を平らにならす(条間=溝と溝の間隔は15〜20cm)
  • ✔ 種は1cmほどの間隔でまく(溝にそってまく「すじまき」)
  • ✔ 溝を埋め戻すように、5mm〜1cmほど土をかぶせ、手で軽く押さえて、水をやる
  • ✔ 芽が出るまで(早ければ2〜3日、涼しい時期は1週間ほど)は、土を乾かさない
  • ✔ 種をまいたら、すぐに防虫ネットをかける(くわしくは次の「防虫ネットのかけ方」)

水やりは、種が流れたり浮き出たりしないように、ジョウロでやさしく行います。晩秋(11月ごろ)の低い気温では、不織布(水や空気を通す薄い布)をべたがけ(作物に直接かけること)して保温すると、発芽がそろいます。

防虫ネットのかけ方|種まき直後に、隙間なく

小松菜は、育ち始めのころから虫の被害が出ます。薬を使わずに育てるなら、防虫ネットが基本の対策です。ネットは園芸店やホームセンターで、「防虫ネット」として売られています。パッケージの「目合い(網目の細かさ)」を確認して、1mm目のものを選びます。1mm目のネットは、キャベツの試験で、コナガとアブラムシ類の寄生を大きく減らしました。アブラムシがとくに多い場所では、0.8mm目前後の細かいものが安心です。幅は、畝の幅に高さの分を足して選びます。幅180cmなら、畝幅60cmの畝や標準サイズのプランターの目安として足ります。長さ5mは、必要な長さに切って使います。

  • ✔ 種をまいたら、すぐにネットをかける
  • ✔ 支柱を約1m間隔で畝に立て、ネットをかぶせて留める
  • ✔ 裾はめくれないよう、土をかぶせたり、Uピン(地面に刺して留める金具)で留めたりして、隙間をなくす

ネットは、透水性と通気性があるので、上から水をかけられます。間引きや追肥(育てている途中で足す肥料)をするときは、一度ネットを上げて、終わったら元に戻します。収穫までは、ほとんど張ったままで大丈夫です。

秋まきは、夏まきより虫が少なめです。ただし、9〜10月はアオムシ・ヨトウムシに特に注意が必要です。9〜10月にまくときも、ネットをかけます。

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間引き|2回に分けて、最終は5cm前後に

畝で育つ若い葉物野菜

間引きは、混み合った株を抜いて、株間(株と株の間隔)を広げる作業です。子葉は、最初に開く2枚の葉です。2回に分けて行います。

  • ✔ 1回目:子葉が開いたとき、株間2cmほどに。子葉の形が整った株を残す
  • ✔ 2回目:本葉2〜3枚のとき、最終的な株間を5cm前後(4〜6cm)に

この時期に間引きが遅れると、ひょろひょろ(徒長)に育ちます。葉と葉が触れ合うころが、間引きの合図です。本葉3枚以降に間引くときは、残す株の根を傷めないよう、根元をハサミで切ります。

合図は「葉と葉が触れ合ったとき」です。本葉の枚数は目安で、触れ合っていたら枚数にかかわらず間引きます。

間引いた株は、汁の実やサラダなどに使えます。

水やりと追肥|肥料は元肥が基本

発芽までは土を乾かさないようにします。そのあとは、多湿になると徒長しやすく、病気も出やすいので、控えめにします。雨が降らない日が続いて、土が乾いているときに水をやります。

肥料は、元肥だけが基本です。育ちが悪く、肥料が足りないときだけ、本葉2〜3枚のころに、速く効く肥料(液体肥料など)を足します。葉の色が濃く元気なら、追肥は要りません。追肥をする場合は、2回目の間引きのあとに、化成肥料を1㎡あたり25gほど(軽く半握り)、株にかからないようにまきます。プランターなら10g程度が目安です。

収穫|草丈20〜25cmが目安。遅れると硬くなる

葉物野菜を収穫する人

草丈が20〜25cmになったら、収穫どきです。根ごと抜いて収穫するか、根元をハサミで切ります。抜くと葉が折れたり傷ついたりするので、初心者は根元を切るのがおすすめです。

草丈20cmを超えたら収穫できます。25cmまでなら、やわらかく食べられます。30cmを超えると繊維が強くなり、食味が落ちます。小さくても食べられるので、家庭菜園では、大きさにこだわりすぎず、早めに収穫して使い切ります。

種まきから収穫までの日数は、まく時期で大きく変わります。高温期は20〜25日、低温期は70日以上です。秋まきは2か月前後(45〜80日)が目安で、10月中旬まきなら、収穫は11月下旬〜1月上旬ごろです。10月末〜11月の晩秋まきは60〜100日かかり、収穫は12月下旬以降です。一度にたくさんまかず、時期をずらして「段まき」にすると、長く収穫できます。

寒い時期のコツ|保温して、とう立ちを防ぐ

小松菜は、寒さに強い野菜です。ただし、発芽した直後から13℃以下の低温が一定期間続くと、花芽ができて、とう立ち(茎が伸びて花が咲くこと)しやすくなります。そのため、11月ごろの晩秋にまくときは、最初から保温します。トンネル(支柱を弓状に立てて覆うこと)やべたがけ(不織布を作物に直接かけること)で保温しないと、大きくなる前にとう立ちするおそれがあります。本葉4枚くらいまでは、覆ったまま育てます。

👉 秋にまいた小松菜は、取り遅れて大きくなりすぎても、そのまま春まで置いておく方法もあります。お彼岸が過ぎて暖かくなるとつぼみが上がり、菜花として収穫できます。

病害虫|白さび病に注意。虫は防虫ネットで

病気で気をつけたいのは、白さび病です。葉の裏に白くいびつな小さい斑点ができ、表側は黄色く色が抜けます。秋口や春先、雨の多い年に出やすい病気です。

  • ✔ 発病した葉は、早めに取り除く

虫は、アオムシ・コナガ・ヨトウムシ・アブラムシなどです。防虫ネットで防ぐのが基本です。生育期間が短いので、薬を使うなら、予防として、本葉2〜3枚までにします。薬を使うときは、ラベルで、小松菜(アブラナ科の葉菜)に使えるか、使用時期と回数を確認します。

育たないときの原因チェック

症状 見直すこと
芽が出ない 芽が出るまでに土が乾いた、種が水で流れた、土をかぶせすぎた、長雨で過湿になった、時期が合わなかった。低温期は発芽に4〜9日ほどかかるので、まず10日ほど待つ。出なければ、土を少し掘って種の状態を確かめ、まき直す。ネットをかけていなかったなら、出た芽が虫に食べられた可能性もある
芽がそろわない まき溝やかぶせた土がでこぼこ
ひょろひょろ・葉が少ない 間引きが遅れて混み合った、日当たり不足、高温や多湿
穴だらけ・食われる アオムシ・コナガ・ヨトウムシなど。防虫ネットの隙間や、土の中に残った虫を確認する
葉の裏に白い斑点 白さび病。発病した葉を取り除く。雨が当たらないようにする
葉脈が網状に黄色い・奇形 萎黄病の可能性。一度出た畑では、同じ場所での連作を避ける
茎が伸びて花が咲く とう立ち。発芽直後から13℃以下の低温が続いた。次からは、晩秋まきは保温する

やりがちなNG行動

  • ❌ 種をまいて、ネットをかけずに放っておく → 育ち始めから食べられるおそれがあります
  • ❌ 防虫ネットの裾に隙間を残す → 虫が入り込み、中では取り除きにくくなります
  • ❌ 間引きを遅らせる → ひょろひょろに育ちます
  • ❌ 肥料を足しすぎる → 病気が出やすくなります
  • ❌ 収穫を遅らせる → 硬くなって、食味が落ちます

よくある質問

Q. 何月まで種をまけますか?

秋まきは、9〜11月ごろです。11月ごろの晩秋にまくときは、不織布のべたがけやトンネルで保温します。寒い地域では、秋まきの最後の時期が早いことがあるので、種袋の栽培暦を確認します。

Q. 前に小松菜を育てた場所で、続けて育てていいですか?

基本は、続けて育てるのを避けます。小松菜もアブラナ科で、キャベツ・ブロッコリー・ダイコン・カブなど、アブラナ科の野菜を育てた場所では、1〜2年あけます。とくに、土の中の菌で出る萎黄病が一度出た畑では、連作を避けます。前に何を育てたか分からない市民農園の区画は、管理者や前の利用者に聞くと安心です。

🌱 まとめ

  • ✔ 畑は苦土石灰を種まきの2週間以上前に入れる(プランターは市販の培養土でよい)
  • ✔ 種をまいたら、すぐに防虫ネットをかける(隙間をなくす)
  • ✔ 本葉2〜3枚の時期の育ちが大切。間引きは遅れずに、最終5cm前後に
  • ✔ 草丈20〜25cmで収穫。遅れると硬くなる
  • ✔ 晩秋まきは、保温(トンネル・べたがけ)でとう立ちを防ぐ

この5つを押さえると、つまずきを減らせます。

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参考にした情報

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サカタのタネ「コマツナの育て方・栽培方法」…苦土石灰・堆肥・化成肥料(8-8-8)の量と時期、発芽日数、間引き、追肥(1㎡あたりの量)、害虫対策、炭そ病、収穫の草丈、秋まきの収穫日数
ハイポネックス Plantia「小松菜の育て方」…種まき時期、酸度(pH6.0〜6.5)、堆肥の量、プランター、覆土、追肥、秋まきの害虫、晩秋まきの収穫日数、連作
アース製薬「コマツナ(種)」…秋まきの時期、プランターの準備と列の間隔、覆土、追肥、9〜10月の害虫、小さい株の収穫
長崎県「環境保全型農業の個別技術(防虫ネット資材)」…防虫ネットの目合い(0.8mm程度)
農研機構「夏秋キャベツのネット被覆栽培によるアブラムシ類及びコナガの侵入防止」…1mmの目合いの効果(キャベツの試験)
トーホク「コマツナ(ビギナーズマニュアル)」…元肥の量、間引き(残す株の根を傷めない)、追肥は不要、連作、収穫の草丈・切り方、秋まきの保温、取り遅れた株の菜花

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