かぶは、丸い根も、やわらかい葉も食べられる野菜です。小かぶなら、種まきから50〜60日ほどで収穫できて、プランターでも育てられます。春と秋の年2回、種まきのチャンスがあるのもうれしいところです。
つまずきやすいのは、種まきの時期、間引きのタイミング、水やり、虫への対策の4つです。順番に見ていきます。
👉 すでに種をまいている方は、種まき後|様子別にやることから読めます(目次からも飛べます)。
👉 時期や日数は、関東から西日本の平地(中間地・暖地)の目安です。地域や品種で変わるので、種袋に書かれた栽培時期もあわせて確認すると安心です。
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かぶ栽培|基本情報
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 種まき | 春は4月上旬〜5月中旬、秋は9月ごろ(寒い地域は5〜8月ごろ) |
| 置き場所 | 日当たりと風通しのよい場所 |
| 土 | プランターは野菜用の培養土。畑は深く耕して、堆肥と、最初に土へ入れておく肥料(元肥)を混ぜる |
| 株間(株と株の間隔) | 最終的に10cmほど |
| 収穫 | 根の直径5cmほど(種まきから50〜60日が目安) |
| 連作 | アブラナ科(ダイコン・キャベツ・小松菜など)を育てた場所は避ける |
準備|プランターと土
かぶは根が深く伸びてから横に広がるので、プランターは深型のものを選びます。幅60cmほどなら、種をまく溝を2本つけられます。用意するものは次のとおりです。
- ✔ プランター(深型)、鉢底ネット
- ✔ 野菜用の培養土(肥料があらかじめ入ったもの)
- ✔ かぶの種(初めてなら小かぶの品種)
- ✔ 防虫ネット(目合い0.8mm)、アーチ型の支柱、洗濯ばさみ
- ✔ 溝をつけるための細い棒、ジョウロ
土の量は、プランターに書かれた容量(L)を目安に用意します。底に鉢底ネットを敷いて土を入れ、フチより少し下で止めて、水がたまる余白を残します。入れ終わったら、種まきの前に水をたっぷりやって、土を落ち着かせます。
畑で育てる場合は、種まきの1か月前までに、堆肥(1㎡あたり3kgほど)と苦土石灰(1㎡あたり100gほど)を入れて、深く耕します。1週間前までに、元肥として化成肥料(1㎡あたり150gほど)をまいて、もう一度耕します。肥料は成分によって量が変わるので、袋の表示を優先します。
種まき|春は4月上旬〜5月中旬、秋は9月ごろ

かぶが育ちやすいのは、15〜20℃ほどの涼しい時期です。25℃を超えると根が太りにくく、病気も出やすいので、6〜7月の夏まきは失敗しやすく、避けるのが無難です。春は、早くまきすぎると春先の低温でとう立ち(花の茎が伸びること)しやすいため、4月に入ってからが安心です。秋は、暑さがやわらぐ9月ごろから始めます。
- ✔ 土の表面に、細い棒で浅い溝を2本つける(まん中をあけて、左右に1本ずつ)
- ✔ 溝に水をたっぷりやり、水がしみて土が落ち着いてから、種が重ならないようにパラパラとまく
- ✔ 種の上に1cmほど土をかぶせて、手で軽く押さえる
- ✔ ジョウロで、種が流されないようにやさしく水をやる
- ✔ すぐに防虫ネットをかける
日当たりと風通しのよい場所に置きます。適した気温なら、2〜3日で芽が出て、5日ほどで子葉(最初に出る2枚の葉)が開きます。
防虫ネット|種まき直後に、目合い0.8mmの細かい網で
アブラナ科のかぶは、コナガやアオムシ、アブラムシ、キスジノミハムシ(小さな甲虫)がつきやすい野菜です。種まきの直後から、防虫ネットでおおっておくと、被害を防ぎやすくなります。
- ✔ プランターをまたぐように、幅に合うアーチ型の支柱を立てる(100円ショップやホームセンターで手に入る)
- ✔ ネットをかぶせ、すき間ができないように洗濯ばさみなどで留める(畑では、すそを土で押さえる)
- ✔ ふだんはかけたままにして、間引きと収穫のときだけめくる(水やりはネットの上からできる)
網目の細かさ(目合い)は、0.8mmほどが目安で、コナガ・アブラムシ・キスジノミハムシをまとめて防ぐのに向いています。ネットだけで虫を完全に防ぐことは難しく、ネットの破れ目やすき間から入り込むこともあるので、間引きのときに葉の裏を見て、虫がいれば取り除きます。目合いが細かいと中の温度が上がりやすいため、暑さが残る時期は、日中に中が蒸れていないか見ておきます。
間引き|3回に分けて、最後は株間10cmほどに
間引きは、混み合った株を抜いて、株と株の間隔(株間)を広げる作業です。かぶは間引きが遅れると、葉ばかりが育って根が太りにくくなるので、早めに進めます。
- ✔ 1回目:子葉が開いたころ。子葉がハート形に近い株を残し、丸すぎる株や細長い株を抜く
- ✔ 2回目:本葉(子葉のあとに出る葉)が1〜2枚のころ。葉が重なり合わないように抜く
- ✔ 3回目:本葉が3〜4枚のころ。生育のよい株を残して、株間を10cmほどにする
株間がせまいままだと、根が小ぶりになります。間引いた株はやわらかいので、汁の実や漬物にして食べられます。
水やりと追肥|乾かしすぎず、根が太るころはとくに
土の表面が乾いたら、たっぷり水をやります。芽が出る前から収穫まで、土を極端に乾かさないようにして、根が太り始める、種まきから1か月ごろからは、とくに注意します。カラカラに乾いたあとで急にたくさん水を吸うと、根が割れやすいためです。反対に、水のやりすぎや水はけの悪さも割れる原因になるので、受け皿に水をためないようにします。
小かぶは元肥だけで育つこともあるので、肥料入りの培養土なら、元気に育っているうちは追肥をしなくても大丈夫です。葉の色が薄いなど育ちが悪いときは、間引きのあとに少量を足して、軽く土と混ぜ、根元に土を寄せます(土寄せ)。土寄せをすると根が安定して、根の表面もきれいになります。量は肥料の袋の表示に従います。
収穫|根の直径5cmが目安。遅れると割れる

収穫の目安は、根の直径が5cmほどになったころです。種まきから50〜60日ほどですが、気温で前後するので、50日を過ぎたら根の大きさを見て決めます。種袋に書かれた大きさがあれば、それを優先します。混み合っているところから先に抜いて、残した株を大きく育てると、長く楽しめます。
根元に近い葉の付け根を持って、まっすぐ引き抜きます。小かぶの葉はやわらかく、根と一緒に食べられます。収穫が遅れると、根の中に放射状のすき間(「スが入る」といいます)ができたり、根が割れたりして、品質が落ちます。
種まき後|様子別にやること
ここからは、育てている途中で見返すための表です。すでに種をまいている場合は、いまの様子に当てはまる行を見ると、次にやることがわかります。
| いまの様子 | やること |
|---|---|
| 芽がまだ出ていない | 30℃を超える暑さや、土の乾きが原因のことが多いです。数日たっても出ないときは、土が乾いていないかを確かめて、まき直します。 |
| 防虫ネットをまだかけていない | できるだけ早くかけます。すでに芽が出ているときは、かける前に葉の裏を見て、虫がいれば取り除いておきます。手順は防虫ネットに書いています。 |
| 子葉(最初に出る2枚の葉)が開いた | 1回目の間引きをします。子葉がハート形に近い株を残します。 |
| 本葉(子葉のあとに出る葉)が1〜2枚になった | 2回目の間引きをして、葉が重なり合わないくらいに間隔をあけます。 |
| 本葉が3〜4枚になった | 3回目の間引きをして、生育のよい株を残し、株間を10cmほどにします。 |
| 葉の色が薄い・育ちが悪い | 水切れや、株の混み合いがないかを先に確かめます。それでも育ちが悪いときは、間引きのあとに少量の追肥をして、根元に土を寄せます。 |
| 種まきから1か月ほどたち、根が太り始めた | 引き続き、土を乾かしすぎないように水やりをします。この時期はとくに、カラカラに乾いたあとで急に水を吸うと、根が割れる原因になります。 |
| 根の直径が5cmほどになった | 収穫します。混み合っているところから先に抜くと、残した株が大きく育ちます。くわしくは、収穫に書いています。 |
| 根にひびが入ってきた | ひびは元に戻りませんが、食べられる大きさなら早めに収穫します。水やりの間隔をそろえて、乾かしすぎも水のやりすぎも避けます。原因は育たないときの原因チェックにも書いています。 |
育たないときの原因チェック
うまく育っていないときは、症状から原因を探せます。
| 症状 | 考えられる原因と対処 |
|---|---|
| 根が太らない | 間引きが遅れて株が混み合っている、気温が高い(25℃を超えると根が太りにくい)、といったことが考えられます。間引いて株間をあけ、涼しい時期にまき直すと育ちやすくなります。 |
| 根が割れる | 育ち始めに乾燥したあとで急に水を吸ったことや、収穫の遅れが考えられます。育ち始めから土を乾かしすぎず、根が目安の大きさになったら早めに抜きます。 |
| 根にスが入る | 収穫が遅れたことが考えられます。次は、目安の大きさになった時点で収穫します。 |
| 葉に穴があく・虫がいる | ネットのすき間から虫が入った可能性があります。すき間をふさぎ、見つけた虫はその場で取り除きます。 |
ついやってしまいがちな失敗
- ❌ 間引きを後回しにする(葉ばかりが育って、根が太りにくい)
- ❌ 土をカラカラに乾かしてから、たっぷり水をやる(根が割れやすい)
- ❌ 収穫を遅らせる(スが入ったり、根が割れたりする)
- ❌ アブラナ科の野菜を育てた場所にまく(根こぶ病が出やすい)
よくある質問
Q. 何月まで種をまけますか?
関東から西日本の平地では、春は4月上旬〜5月中旬、秋は9月ごろが目安です。10月上旬までまける地域もありますが、それ以降は寒さで育たなくなることがあるので、次の春まで待つのが無難です。
Q. 前にダイコンやキャベツを育てた場所で、続けて育ててもいいですか?
続けての栽培は避けます。かぶはダイコンやキャベツと同じアブラナ科で、続けて育てると、根にこぶができる根こぶ病が出やすくなるためです。原因の菌は土の中に5〜10年残るといわれるので、畑ではできるだけ間隔をあけます。プランターは、新しい培養土に入れ替えます。
Q. 大かぶ(聖護院かぶなど)でも同じ育て方ですか?
基本は似ていますが、大かぶは収穫まで70〜80日ほどかかり、追肥の回数も増えます。初めて育てるなら、短い期間で収穫できる小かぶが育てやすいです。
🌱 まとめ
- ✔ 種まきは、春は4月上旬〜5月中旬、秋は9月ごろ。暑い時期は避ける
- ✔ 種をまいたらすぐに、目合い0.8mmほどの防虫ネットをかける
- ✔ 子葉が開いたら1回目、本葉1〜2枚で2回目、3〜4枚で3回目の間引きをして、株間を10cmほどにする
- ✔ 土を乾かしすぎず(根が太るころはとくに)、直径5cmほどになったら早めに収穫する
この4つを押さえれば、虫に食べられる、根が割れる、スが入るといった失敗を防ぎやすくなります。
👉 ラディッシュの育て方
👉 小松菜の育て方
👉 家庭菜園の始め方
参考にした情報
広島市「栽培ごよみ(かぶ)」(市民菜園の資料)
栃木県農業試験場「かぶのは種期と収量性について」
長崎県「環境保全型農業に応用できる個別技術(防虫ネット)」(目合いの表は東京都農業試験場)
タキイ種苗「野菜栽培マニュアル(カブ)」
